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浦和家庭裁判所 昭和39年(少)2038号 決定 1965年3月30日

少年 H・D(昭二五・一一・二三生)

主文

少年を東京保護観察所の保護観察に付する。

理由

この事件の要旨は、少年は昭和三八年六月以来窃盗事件と学校長期欠席等により埼玉県中央児童相談所に通告になり、昭和三八年九月一一日県立教護院埼玉学園に措置入院となつたものであるが、入院後再三施設を逃走しては非行をし、知能的にも低いため指導の見通しが立たず目下川口市○町四丁目○○○番地○野○○郎方(○○新聞社川口○○販売所)に寄宿しているのを黙認している状態である。然しながら学齢期終了までこのまま放置して監護能力に欠ける保護者に少年の生活指導を任せることは不適当なので国立教護院武蔵野学院に措置変更を依頼する一方、同施設での生活の安定を期するため強制的措置をとる必要がある、と言うのである。

よつて検討するに、整理の結果によると少年は前記○野○○郎方に新聞配達のアルバイトに雇われて以来三ヶ月程問題行動もなく過しておつた事実が認められたので、当裁判所は昭和三九年一一月一七日相当期間少年を家庭裁判所調査官の試験観察に付し「怠けずまじめに通学すること」との遵守事項の履行を命じたところ、観察期間中少年は前記○野方において日常生活に安定を取戻し窃盗等の非行もなく、その後昭和四〇年一月下旬東京都練馬区○町一丁目○○○番地の異母兄H・U方に住込んで電気工事の手伝をするようになり現在まで落着いた生活を続けており、一方中学校は練馬区立○○中学校に転校となり、学校長、教育委員会の協議で校外教育措置がとられているものである。

以上の事実によればもはや少年を強制的措置を付して教護院に収容教護する危険性は除去されたものと考えられ、少年に対しては保護観察に付し保護司による指導監督・補導援護をなすことが相当である。

よつて少年法第二四条第一項第一号を適用して主文のとおり決定する。

(裁判官 岡岩雄)

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